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「ドン・キホーテ」グルジア国立バレエ(2007.7.27)

クレジット

音楽:レオン・ミンクス/振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー、ワフタング・チャブキアーニ/演出・振付改訂:アレクセイ・ファジェーチェフ、ニーナ・アナニアシヴィリ/ファジェーチェフ補佐:タチヤーナ・ラストルグーエワ、ユリアーナ・マルハシャンツ/衣裳・装置:ヴャチェスラフ・オクネフ/照明:アミラン・アナネリ/衣裳および装置製作:グルジア国立オペラ・バレエ劇場/装置協力:新国立劇場
指揮:ザーザ・カルマヘリーゼ/演奏:東京ニューシティ管弦楽団
東京文化会館

キャスト

キトリ:ラリ・カンデラキ
バジル(理髪師、キトリの恋人):アンヘル・コレーラ
ドン・キホーテ:ギオルギ・タカシヴィリ
サンチョ・パンサ(ドン・キホーテの従者):ベサリオン・シャチリシヴィリ
ガマーシュ(裕福な貴族):エフゲニー・ゲラシメンコ
ロレンゾ(キトリの父):ユーリー・ソローキン
キトリの母:テオーナ・チャルクヴィアーニ
キトリの友人:マリアム・アレクシーゼ、テオーナ・アホバーゼ
ルチア(街の踊り子):ニーノ・オチアウーリ
エスパーダ(闘牛士):ダヴィド・ホザシヴィリ
メルセデス(踊り子):マイヤ・イリュリーゼ
ボレロ:ヴェーラ・キカビーゼ、ラシャ・ホザシヴィリ
ジプシーの男爵:アルチル・クヴィツィナーゼ
森の精の女王:ショレナ・ハインドラーワ
3人の森の精:アンナ・ムラデーリ、ニーノ・ゴグア、エカテリーナ・シャヴリアシヴィリ
4人の森の精:ニーノ・サナーゼ、ニーノ・マグラーゼ、ニーノ・マハシヴィリ、ラナ・ムゲブシヴィリ
キューピッド:ツィシア・チョロカシヴィリ
酒場の主人:アルチル・クヴィツィナーゼ
カルメンシータ:マイア・アルパイーゼ
第1ヴァリエーション:ニーノ・オチアウーリ
第2ヴァリエーション:アンナ・ムラデーリ
子供たち:橘バレヱ学校(指導:沢田加代子、高田麻名)

感想

このカンパニーのプリンシパル、ラリ・カンデラキとゲストのアンヘル・コレーラの日。初日に見た方たちが絶賛されていたので、とても楽しみにしていました。アンヘルのバジルが期待を裏切らないのはわかっているし、カンパニーのダンサーたちにもすっかり親近感を覚えているので、ワクワクしながら劇場へ。

この日も前日とはまた違った意味でとても楽しい公演でした。ニーナとウヴァーロフの日はlove and joyに溢れた公演で、カンデラキとコレーラの日は"エンターテインメント!"(あ、悪い意味ではなくね)。2人とも観客が何を喜ぶかをよく知っていて、それを余すところなく見せてくれました。どちらの日がどうという事ではなく、それぞれに楽しかったです。

カンデラキはよいダンサーですね。脚が強くて回転系とかブイブイいわせちゃうんだけど、ドルシネアも綺麗に踊る。跳躍も軽いし、音の使い方も小気味よい。それに荒いところがないの。たぶんダンサーとして脂の乗り切った時期なのでしょう、ホントに見ていて気持ちよいくらいパシパシと技が決まって見事でした。1幕のヴァリの最後に、闘牛士たちのマントの前でピルエットしながら進んでいくのがありますよね、あれを見た時に、映像で見たプリセツカヤの踊りを連想しちゃいました。キレがあって開放的で素晴らしかったです。客席へのプレゼンテーションも堂に入ってたし、どうして最初から彼女をキャスティングしなかったの?と不思議でなりませんでしたよ。

グラン・パ・ド・ドゥの32回転フェッテなんて、前半3回に1回位(鞭打つほうの)脚の遅さがゆっくりになる、という(たぶんそうだと思うのだけど、すごすぎて実態がよくわからなかった)初めて見る回転が入ったり、ダブル,トリプルが入り、そして1/4ずつ多めに回って正面をずらしていく回転が入り、と超てんこもりの大サービス。32回転で凄すぎて笑っちゃったのは初めてかも。びっくりしました。

アンヘルはちょうど2年振り、ABT「ドンキ」で見て以来です。いやー噂通り絶好調でした。ピルエットで笑いと歓声が同時に起きる本家本元(?)のアンヘル、今回も笑っちゃうくらいにキレのあるピルエットでくるくる回ってました。愛すべきラテン魂、とでも言いましょうか。満面の笑みでパートナーの顔を覗き込みながらのサポートも相変わらず。アンヘルは確かABTのバジルの時もキトリやキトリの友人たちのスカートをめくってみたり、という"おいた"をしてましたが、今回もやってました。片手リフトの2つめをながーい時間キープしながら(自分は客席に向って後ろ向きなので)カンパニーのコール・ドの子たちに何か合図してみたり。更に今回は客席に対するコンタクトもあり。グラン・パ・ド・ドゥのコーダで客席に向って「行くよ、見ててね」って感じで合図したり。そりゃあもう自由奔放にのびのびと。アンヘルも客席の反応を楽しんで踊っているのがよくわかって、相乗効果で盛り上がった気がしました。

カンデラキと合わせる時間はそう多くなかったでしょうが、踊りだけでなく芝居の面もかなりしっくりいっていて、バランスがよかったと思います。主演2人の火花の散るような技のせめぎ合いを楽しむのがドンキの醍醐味だとしたら、この公演は間違いなくそれを味わえるものでした。もうね、固い事言わずに一緒に楽しむ!それが一番です(笑)。

この日のエスパーダはダヴィド・ホザシヴィリ。弟の方だよね。評判のよかったお兄ちゃんのエスパーダも見たかったですが、弟も相当よかったですよ!前日のエスパーダはちょっとアタフタした所があったけど、彼は背中も柔らかいし色気があったし。マントさばきは彼も要練習!という感じでしたが、舞台に立った時の華があるのがいいですね。メルセデスのイリュイーゼは本日も言う事なし。昨日より更に背中をしならせて踊ってくれました。素敵。そしてこの日はボレロにお兄ちゃんラシャ・ホザシヴィリ登場!目を惹く美しい踊りでした。

ということでとても楽しんだこの公演。カーテンコールの時に1度降りたカーテンが再度あがると、コール・ドのダンサーたちはみんな舞台を囲んで腰掛けていました。拍手が続く中をアンヘルとカンデラキがもう1度出て来て、アンヘルが舞台袖にニーナを連れ出したので、観客大喜び。ニーナは黒のドレス姿で、マイクを持っています。静かにするよう客席に合図してから「little surprise for you!」と。「you!」のところで客席をピシっと指さしたところがキュートだったわ。

舞台が暗転してから蛍光グリーンに輝く炎のようなものを持ったダンサーが両脇から2人ずつ。炎は彼らの影に隠れて見えません。で、始まったのがダンサー5人による小品。黒のレオタード+タイツ姿に赤いスカーフをウエストから垂らした女性4人と、彼らとは黒と赤を反転させた衣装の女性が1人。その赤レオタードの女性がメインで踊るエキゾティックなダンス、夏の夜にぴったりでした(ってまだ夜ではなかったのですが)。彼らの気持ちが嬉しいですよねぇ。作品名とかクレジットなどは不明なのですが(JAさんぜひブログに情報を!)とても魅力的でした。

そういえばこの日のカーテンコールでは、ドン・キホーテ/サンチョ・パンサ/ガマーシュの3人が小芝居を打っていて、キホーテが2人にぶつかってドーンと卒倒したんですよ。キホーテ役のシャアチリシヴィリって寝たり起きたりする時に背中がまーっすぐだなぁと思っていたのですが、この時にサンチョ・パンサとガマーシュが彼の手を取って起こした時も、背中どころか脚まで一直線にまっすぐに起きてきたので笑っちゃいました。それほど大きな反応がなくて気の毒だったけど(笑)

そして最後の最後のカーテンコールには垂れ幕とものすごい量の紙テープ&紙吹雪が!(笑)。ツアー自体はまだ続くけれど東京公演最終日ということでのフィナーレ演出だったのですね。グルジアの国旗を持ったダンサーも2人いて、彼らの誇りというか気概を感じました。次の来日、楽しみにしていますよー。指揮者のカルマへリーゼさんも指揮者としてはまだお若いようですが、これからもグルジア・バレエの発展のためにがんばっていただきたいものです。ホントに楽しい公演をありがとうございました。カンパニーのみなさま。

Comments:2

naomi 2007年8月 1日 01:39

とっても素敵な、そして温かい公演でしたね。ニーナのファン想いの気持ちに打たれるとともに、私もグルジア国立バレエが大好きになりました。
さて、サプライズの演目ですが、会場にタイトル等が張り出してありました。
「グルジア音楽を使用した「キンタウリ」(日本初演) 振付 ギヤ・アルガニア 日本の為に振付けました」
とのことです。
しかしブログでも紹介して欲しいですよね~。

ゆう 2007年8月 2日 00:01

naomiさん、会場に案内があったのですか!不覚にも全く見落として帰宅してしまいました。教えていただけて本当に感謝です。ありがとうございます。

せっかくだから、タイトルの意味とかどんな意味を込めて振り付けたかとか、お聞きしたかったですね。その日だけのサプライズだから書きにくいのでしょうか。勿体ないなぁ。

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