- 2006/05/28 18:54|
- Category: 新国立劇場バレエ|
クレジット
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウスII世/舞台美術:ジャン=ミッシェル・ウィルモット/衣装:ルイザ・スピナテッリ/照明:マリオン・ユーレェット、パトリス・ルシュヴァリエ/舞台美術・照明補佐:ジャン=ミッシェル・デジレ/振付指導:ルイジ・ボニーノ
指揮:指揮:デヴィッド・ガルフォース/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場オペラ劇場
キャスト
ベラ:真忠久美子
ヨハン:森田健太郎
ウルリック:八幡顕光
メイド:楠本郁子
グランカフェのギャルソン:マイレン・トレウバエフ、奥田慎也、江本拓
フレンチカンカンの踊り子:厚木三杏、寺島ひろみ、西川貴子
チャルダッシュ:マイレン・トレウバエフ、遠藤睦子、西山裕子、川村真樹、寺島まゆみ、本島美和、丸尾孝子
警察署長:ゲンナーディ・イリイン
ヨハン(歌):経種廉彦
感想
ウルリック役のボニーノが結局完全降板となり、若い八幡顕光さんが抜擢されていました。主役の3人とヨハンのお歌以外の主要キャストは先週と一緒。元々八幡さんがキャストされていたギャルソンはどなたが代役に入られたかよくわからなかったのですが、もう1つの仮面舞踏会の方はたぶん奥田さんが入っていたと思います。
まず真忠さんのベラは母というより妻の部分が強かった。フェリみたいにネグリジェの肩を下にずらせたりはしなかったけど(笑)かわいい奥さんでした。ヨハンに熱烈に求められて結婚し、気付いたら子どもが5人も!という感じかな(笑)。フェリはひたすら一途に夫を愛していて、夫が飛び去ってしまったことが悲しくてウルリックに助けを求めたけど、真忠さんのベラは夫に顧みられない自分に自信がなくなってウルリックを呼ぶ感じ。まだ私だって十分イケてるのに、と。若い彼女ならではのベラだなーと好もしく思いました。そんなベラだけに変身後の華やかさったら!マキシムの場をさらってしまうのも当然。ということで、彼女は変身後がすばらしかったです。
なんといってもあのビスチェの衣装が映える美脚にうっとり。牢獄のパ・ド・ドゥもとても素敵でした。ただ1つ、このパ・ド・ドゥにはヨハンが差し出した手のひらにベラがそっと自分の足先を置くという美脚礼賛のプティらしい振付が2回あって、先日見た時はテューズリーの手の出しかたも本当に大切なものをおし戴くようだったし、フェリの脚の差し出し方も大切なものをそっと置くような、デリケートで美しい仕草。この美しい脚もあなたのものよ、って意味なのかなーって思ってけっこう感激したんです。でもこの日の真忠さんと森田さんのその部分はさらっと過ぎてしまって、、、期待していたのでちょっとだけ肩すかし。でもそれ以外はホントに素敵なパ・ド・ドゥでした。
森田さんのヨハンは登場した時からイライラと不機嫌そう。1幕のお食事の場面の後のベラとのパ・ド・ドゥでもホントに妻の方を見ないで形式的に「愛してるよ」と言っているかのようだし、「普段からそんなダンナじゃないでしょうね?」とちょっと心配した(笑)。フライングはテューズリーのように脚先は奇麗に決まってはいなかったけど、そのバタバタ飛んで行くところが却って「さあ、マキシムへ急げ!」という感じにも見えたかな。全体にサポートも踊りも安定していて満足です。が、、、彼を見てると「山本さんはこんな風に踊ってたよなー、早く見たいなー」と時々気持ちが翌日に飛んでしまいました(それでバチが当たったのか、翌日は見に行けなかったんですが)。ヨハンの歌は経種廉彦さん。樋口さんより高くてデリケートなお声だと思いましたが、しっかりした体格の森田さんとはあまり合っていなかったかも。
本日のウルリック、八幡さんは期待通りキレのある踊りを堪能させてくれました。若さと身の軽さからして、ヨハンの友人というよりは後輩?例えるなら、女の先輩にずっと片思いしてたのにサークルのOBの(かなり年上の)先輩が彼女を見初めて結婚しちゃった、みたいな。夫婦にかわいがられているので頻繁に自宅を訪れている、という感じ。完成形の小嶋さんウルリックを見た後では、最初は「善戦してるけど客席に届きにくいかなー」なんて思っていたのですが、ベラのお着替え中のソロくらいからぐんぐん乗って来たんじゃないかな。割と表情が動きにくい人だと思うので、こういう役につくことが多い以上表情筋も鍛えた方がいいような気はするけど、メイド役の楠本さんとのやり取りなんて最高でした。それに、最後「ああ、彼女が幸せになるってことは僕の恋は実らないんだー」と気付いて去って行くところはすごくよかったと思います。翌日の舞台でどれくらい進化したか見られなかったのは、とても残念。
そして、今日もトレウバエフくんは絶好調。彼の踊りを見るためだけにでもまた見たい演目になってしまいました。笑ったのが、同じ格好をして出て来た八幡ウルリックに対する態度。「なんだ、お前?」とウルリックを見てから「俺がチャルダッシュの主役だよな」と自分の衣装を確認し、もう1度ウルリックを見て「タイが乱れてるぞ」とばかりにタイを直してあげて「しっかりしろよっ」とドツくのです(笑)。先輩が後輩にちょっかいだして遊んでるみたいで、小嶋ウルリックに対しては絶対しないでしょっ、と心の中で突っ込みました。その後も八幡さんが真忠さんをサポートしようとしたところをタックルして退かせて、トレウバエフがサポートしてくるくる回していました。ん?これ、前回見た時は小嶋ウルリックがフェリをサポートしていたような覚えがあるんだけど、違ったかなー。
ということで、今回も楽しかったです。フェリが踊るとプティがどんな脚さばきを望んでいるかがよーくわかるのですが、真ん中が自前ダンサーだと舞台に一体感が生まれるのがいいんですよねー。最終日の湯川/山本組が見られなかったのが本当に残念でしたが、次回に期待します。
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