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シルヴィ・ギエム最後の「ボレロ」Bプロ(2005/11/20)

東京文化会館

「テーマとヴァリエーション」

振付:ジョージ・バランシン/音楽:P.I.チャイコフスキー

上野水香--高岸直樹
高村順子、門西雅美、長谷川智佳子、西村真由美
古川和則、平野玲、野辺誠治、長瀬直義

これはテープだとキツいんじゃないかなぁ。できれば生演奏で見たかったです。上野さんを見るのも1年ちょっと振りかな。去年見たときは気になって仕方なかった手首の癖が抜けた?見ていて「苦手だなー」と感じる瞬間はなくなっていました。それと、いい意味で彼女の個性が踊りに現れてきたかも。今後、彼女の個性に合った作品を踊っていったらいいんじゃないかな。この作品か彼女向きかというと、ちょっと首をかしげてしまうんですけれど。

「東バが誇る幅広いレパートリー」という感じで選ばれた作品なのかもしれませんが、別にこの作品でなくてもよかったんじゃないか、、、と思ったりはしました。全体に音楽を体現する踊り、という感じではなかったような。この作品は今年のABTと今回の計3回しか見ていないのですが、満足いくように踊るのが難しい作品という風にインプットされてしまいましたよ(笑)。久しぶりにクラシックチュチュの華やかさを見られたのは嬉しかったんだけどね。

「Push」

振付:ラッセル・マリファント/音楽:アンディ・カウトン

シルヴィ・ギエム/マッシモ・ムッル

2階席とかで見たら面白かったかも。ラッセル・マリファントは前回ギエムが持ってきたときは見られなかったので、生で見るのは初めて。映像では見た事があって照明の使い方が印象的だとわかっていたのだから、席を取るときにちょっと考えればよかったなー、と軽く後悔。1階で見たから、その面白さの半分くらいは損したような気がする。

淡々と、と言うにはあまりにもすごすぎる振りをこなす2人なのだけど、どこかにクライマックスが来るわけでもなくて抑えたテンションで続いて行く30分。正直言って長かった・・・。ムッルは舞台にいる間、ギエムをリフトしてる時間の方が長かったんじゃないだろうか。もうちょっとムッルを堪能したかったなーという想いもあるし。それと、初演でギエムの相手をつとめたラッセル・マリファント本人が踊ったらどうだったのかなーとも、ちょっと思いました。

「春の祭典」

振付:モーリス・ベジャール/音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

生贄:中島周
二人のリーダー:後藤晴雄--木村和夫
二人の若い男:古川和則--氷室友
生贄:吉岡美佳
四人の若い娘:高村順子--門西雅美--小出領子--長谷川智佳子

中島さんの生贄は初見。Aプロのギリシャではあんなに晴れやかな存在だったのに、ここでは怯える生贄。んー、私は「生贄はこうあるべき」みたいのはよくわからないけど、中島さんと吉岡さんのペアは、今までに見た生贄ペアのどれとも違っていて新鮮でした。何て言ったらいいかわからないけど、生の有無を言わせぬ力強さとか、恐怖のうちからわき上がる衝動とかいう土臭さじゃなくて、もっとガラス質、、、?そういう性質を持つ生贄に見えた。その意味では、確かに2人は他の若者たちからは「異質」な存在だったと思う。こういう風に感じたのは初めてだなぁ。

「ボレロ」

振付:モーリス・ベジャール/音楽:モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム
木村和夫--平野玲--古川和則--大嶋正樹

今日もギエムは透明な存在でした。プリズムとかシャーマンとか、そういう何かを仲介したりする媒体としての存在。自らを差し出す生贄でもリズムを挑発するでもない。だから一人で踊っているときは淡々と見えて、リズムが反応し始めるとそれに呼応して熱を帯びてくるような。それにしても挑発じゃなくって慈愛とか慈しみのような視線で、チームプレイ感が強い。リズムの方も飯田さんと森田さんが抜けて代替わりしたから、もしかしたらその辺も影響があるのかな・・・

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