- 2005/11/13 01:18|
- Category: シュツットガルト・バレエ|
キャスト
キャピュレット公:ローランド・ダレシオ
キャピュレット夫人:メリンダ・ウィザム
ジュリエット:スー・ジン・カン
ティボルト:イヴァン・ジル・オルテガ
パリス:エヴァン・マッキー
乳母:ルドミラ・ボガート
モンタギュー公:ディミトリー・マジトフ
モンタギュー夫人:クリスティーナ・パザール
ロミオ:フィリップ・バランキエヴィッチ
マキューシオ:エリック・ゴーティエ
ベンヴォーリオ:マリジン・ラドメイカー
ヴェローナの大公:アレクサンドル・マカシン
僧ローレンス:アレクサンドル・マカシン
ロザリンド:サラ・グレザー
ジプシー:エリサ・カリッロ・カブレラ/オイハーン・ヘレッロ/カーチャ・ヴュンシェ
カーニバルのダンサー:ローラン・ギルボー/ラウラ・オーマレイ/ミハイル・ソロヴィエフ/カタリーナ・コジィルスカ/トーマス・ダンエル
クレジット
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/装置・衣装:ユルゲン・ローゼ
指揮:ジェームズ・タグル/演奏:東京ニューシティ管弦楽団
東京文化会館
感想
夜は一転して大人のロメジュリでした。振付の力を堪能できる2人。マチネの「生き急いだ感」は薄れていましたが、成熟したストーリーになっていて、これもまた胸をしめつけました。バランキエヴィッチの踊りの上手さがまず一番印象的。マキューシオ、ベンヴォーリオと踊っても一人群を抜いています。街の広場の場面だったかと思いますが、仲間たちの中心で脚を横に上げてピルエットするのも3人のロメオの中で彼だけがダブルを入れたり「魅せる」バレエの要素を加えていました。別にフォーゲルくんみたく全部シングルでゆっくり踊ってくれても全く問題ないんだけど、「魅せ」てくれると、観客はちょっと嬉しかったりするよね。全般に余裕のある踊りっぷりで落ち着いて見えたので、何となくく、この悲恋の主人公らしいスピード感とかはち切れる感情、とかが薄れてしまったかも。・・・観客とは贅沢なものですなー。とはいえ、マキューシオが命を落とした後の絶望感や剣を取って逆上する様子は鳥肌ものでした。
スージンは今回ようやく見ることができて嬉しかったダンサーです。スージンがかわいかったのは、中庭でロミオと会っているときに、ジュリエットを探しにきたパリスとさっきの舞踏会と同じステップを踏みますよね。あそこが「ホントに早く帰ってくれないかしら」って感じでさささっと済ませたところ。ユーモラスでかわいかった。あれは長い事主役を張ってないとできないでしょう。それと、寝室のパ・ド・ドゥ。別れの時にロミオが後ろからジュリエットの手をとって、その目を覆わせて見えないようにして、その間にロミオが去って行くシーン。ここはこのペアが一番胸を打ちました。
ティボルトはイヴァン・ジル・オルテガ。ロミオに決闘を申し込みに広場に出てきたときは怒り心頭という感じなんだけど、彼を捜していて遠くからこちらにやってくるロミオを見つけると「ふふん、もうすぐ料理してやる」って感じの薄笑いを浮かべるのよ。イェリネクとの一番の違いはマキューシオを刺してしまった後で、オルテガは悪びれません。そして血のついた剣を何度も激しく振って汚れを落とす仕草。マキューシオが絶命してみんなが嘆く様を柱に寄りかかって冷ややかに眺めているのです。うっわー、悪人だわ。だから、ロミオが剣を取ると「ふん、やっとその気になったか」という感じ。さされた後のダイブも迫力がありました。イェリネク、オルテガ、どちらのティボルトも魅力がありましたが、オルテガは「あの優しそうで紳士的なグレーミン?」というギャップ。バランキエヴィッチと2人とも背が高いので決闘シーンは迫力たっぷりでした。
マキューシオはエリック・ゴーティエ。どうやら前回の来日公演でも彼のマキューシオを見てるみたいなんですが、覚えてませんでした。ごめんね。彼はベテランダンサーの佇まい。マキューシオのおどけっぷりや人をちょっと小馬鹿にするようなところが絶妙でした。ベンヴォーリオ=エリック・ラドメイカーは目の保養タイプ。この3人の舞踏会侵入前のパ・ド・トロワは見応えがありました。
マチネ・ソワレと見た感想は、2つの違う物語みたいだったな、と。否定的な感想ではなく、それぞれに胸を打つ物語でした。俄然、翌日の公演が楽しみになって帰途につきました。