- 2005/06/25 23:11|
- Category: 新国立劇場バレエ|
クレジット
振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー/作曲:レオン・ミンクス/台本:マリウス・プティパ/改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ/舞台美術:ヴャチェスラフ・オークネフ/照明:梶孝三
指揮:ボリス・グルージン/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場オペラ劇場
キャスト
キトリ:スヴェトラーナ・ザハロワ
バジル:アンドレイ・ウヴァーロフ
ドン・キホーテ:長瀬信夫
サンチョ・パンサ:奥田慎也
ガマーシュ:ゲンナーディ・イリイン
街の踊り子:真忠久美子
エスパーダ:イルギス・ガリムーリン
キトリの友達(ジュアニッタ):遠藤睦子
キトリの友達(ピッキリア):西山裕子
ロレンツォ:田名部正治
ロレンツォの妻:鳥海清子
メルセデス:湯川麻美子
ギターの踊り:大森結城、神部ゆみ子、深沢祥子
居酒屋の亭主:石井四郎
ジプシーの頭目:市川透
二人のジプシー:グレゴリー・バリノフ、吉本泰久
森の女王:川村真樹
キューピッド:さいとう美帆
3人の妖精:寺島まゆみ、鶴谷美穂、丸尾孝子
4人の妖精:高橋有里、中島郁美、難波美保、大和雅美
公爵:ゲンナーディ・イリイン
公爵夫人:西川貴子
ボレロ:楠本郁子、マイレン・トレウバエフ
第1ヴァリエーション:寺島ひろみ
第2ヴァリエーション:本島美和
感想
とーっても楽しかったです!そしてすばらしかった。やっぱり「ドン・キホーテ」はよいなー。「指環」の後だからよけいに、かもしれませんが、本当に期待を裏切らないよい舞台でした。いつも新国立の初日は何かちぐはぐな感じが残るものですが、今日はそんなこともなく、3幕の始まりの曲やグラン・パ・ド・ドゥが始まる時に「あー、もうすぐ終わっちゃう〜」と悲しくすらなる程でした。主役の2人があまりに見事で、新国立のみなさんにはいつも程目が届かなかったな、と終わってから気づいた位。
まずなんと言ってもザハロワのキトリのかわいらしいこと!こんなキュートだったっけ?勝ち気なだけでなくかわいらしくて、ウヴァーロフとの間にも愛があふれていて、しかもあの恵まれた体と高い技術でしょ。もうただひたすら幸せを感じながら見ていました。元々姫キャラだから、ドルシネアも神々しいくらいの美しさだったし、本当に言う事ありません。
ウヴァーロフのあそこまでの笑顔も私は初めて見ました。少し体重が落ちたかな?踊りにもキレがあったし、キトリとの関係も見ていて気持ちよかった。コミカルでパワフルで、でも雑なところもなく、そのうえセクシーで最上のバジルでした。タンバリンなんかも天井に届くかという程ビュンビュン投げちゃうし、気持ちもものすごく乗っていたと思います。1幕でいつからか舞台の上に何かが落ちているのに気づいて、誰も踏まないといいなーとドキドキしていたのですが、パ・ド・ドゥの後拍手に応えているときに、ウヴァーロフがそれをさりげなく拾ったんですよね。あーよかった、また舞台袖にポイッと投げるのかな、と思ったら、どうやらそれはピンクのバラ(のつぼみ?)であったらしく、軽くそれにキスをしてザハロワに手渡す伊達っぷり。もう〜悩殺されました(笑)。
居酒屋の場面でも脇で2人でお酒を飲みながらどんどん酔っぱらっていくし、2人が心底舞台を楽しんでいるのがわかりました。狂言自殺の場面は、マントを敷いて「よしっ、これで大丈夫」とにこっと笑ってから倒れていくウヴァーロフ。もうあんた可愛いすぎ(笑)グラン・パ・ド・ドゥももちろんすばらしくて、客席はもちろんのこと、舞台上のダンサーたちもみーんな2人の一挙手一投足を息を詰めて見つめていました。本当に、もう1度最初からもう1回みたいくらい。今回はNHKのカメラが入っていて(どうやら翌26日が本収録だったようですが)、この舞台が映像になるのは本当に幸せで待ち遠しいですね。
同じくゲストのガリムーリンのエスパーダもよかったです。貴重な存在ですよねー。かっこよかったです。街の踊り子の真忠さんは、ご本人の真面目さが垣間見える感じ。小股の切れ上がった女、みたいな踊り子だったらもっとよかったなー。そうそう、エスパーダとトレアドールたちが登場した時の、街の女たちの黄色い声が聞こえてきそうな浮き上がりっぷりが可愛かったです〜。特に上手側にいた楠本郁子さんなんてホントに目がハートになってるんじゃないかという感じで(笑)
新国立のみなさんの中で特に印象に残ったのは川村真樹さんと寺島ひろみさん。そして西山裕子さんも。森の女王の川村真樹さんは並んでいるのがザハロワだと分が悪いようではありますが、ザハロワとはまた違った輝きで、彼女の持ち味である伸びやかさと正確さの備わった踊りを堪能しました。第1ヴァリエーションの寺島ひろみさんは、どうやら主役を踊って以降、すっかり落ち着きと華やかさと貫禄(よい意味での)が備わったようですね。ダンサーとしての成長が手に取るようにわかるし、本当によいダンサーだと思います。西山さんと遠藤睦子さんのキトリの友達は2人とも軽やかで素敵でしたが、特に西山さんの踊りって好みなんですよね。
キャストを見た時にガマーシュがゲンナーディ・イリインさんだったのはちょっと意外。確かにコミカルではあるんですが、もっと若手に踊らせてもよかったのに。ただ、主役の2人がでかいので、ある程度の身長の人というとイリインさんだったのかな。そして、イリインさんが3幕で公爵として再登場したのには本当にびっくりしました。この版ではガマーシュの出番が少ないんですね。
そうそう、ドン・キホーテの長瀬さんも奥田サンチョ・パンサと一緒の時は全く違和感がないのに、主役2人とのからみになると「背の低いキホーテって初めて見たかも」という気になったり。そういえば、この版にはロレンツォの奥さんも登場するんですねー。今までそういうのは見たことがなかったので、新鮮に思いました。