- 2005/02/17 20:51|
- Category: ハンブルク・バレエ|
クレジット
原振付:マリウス・プティパ/音楽:P.I.チャイコフスキー/改訂振付・演出:ジョン・ノイマイヤー/美術・衣装:ユルゲン・ローゼ
指揮:ミヒャエル・シュミッドルフ/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
NHKホール
キャスト
デジレ王子:イヴァン・ウルバン
オーロラ姫:バルボラ・コホウトコヴァ
善の精:ラウラ・カッツァニガ
悪の精:カーステン・ユング
国王フロレスタン24世:ロリス・ボナニ
王妃:ゲイレン・ジョンストン
カタラビュット、宮廷のダンスマスター:ヨハン・ステグリ
宵の明星とカヴァリエ:エレン・ブシェー、セバスチャン・ティル
水星とカヴァリエ:カトリーヌ・デュモン、ピーター・ディングル
月とカヴァリエ:シルヴィア・アッツォーニ、ヨロスラフ・イヴァネンコ
流れ星とカヴァリエ:リサ・トッド、アンドリュー・ホール
火星とカヴァリエ:アンナ・ポリカルポヴァ、アントン・アレクサンドロフ
オーロラ姫、あけぼのとカヴァリエ:ラウラ・カッツァニガ、ヨハン・ステグリ
茨の妖精:ジョセフ・エイキントン、コスチャンティン・ツェリコフ、ステファノ・パルミジアーノ
6歳のオーロラ姫:フェー・リヒテンベルグ
11歳のオーロラ姫:アナ=レーナ・ウィーク
エジプトの王子:カーステン・ユング
ロシアの王子:ヨロスラフ・イヴァネンコ
インドの王子:ピーター・ディングル
スペインの王子:セバスチャン・ティル
オーロラ姫の友人:カトリーヌ・デュモン、オデッテ・ボルヒェート、ジョルジーナ・ボルトハースト、アンナ・ハウレット、ステラ・カナトーリ、エレン・ブシェー、リサ・トッド、マリアナ・ザノット
富:ディアゴ・ボーディン
陽気:アンナ・ハウレット
勇気:カトリーヌ・デュモン
青い鳥:ヨハン・ステグリ
フロリナ王女:エレン・ブシェー
感想
なんとか都合をつけて、東京公演のマチネに行ってきました。この日はソワレもあって、ホントはそちらに行きたかったのですが・・・それでももう1度見られただけ幸せだったと思います。ダンサーのやりくりを考えると、きっと横浜で見たときと同じ主要キャストだろうなと予想していたのですが、果たしてその通り。もう1度イヴァン・ウルバンの王子を見られる嬉しさと、イリ・ブベニチェクの王子やアレクサンドル・リアブコのカタラビュットを見られない残念さと。でも、セカンド、サードキャストだから見劣りするなどということは全くなく、キャストされたダンサーはそれぞれにノイマイヤーと濃密に作品をつくりあげているのだと思いました。それぞれのキャストにそれぞれの良さがあるのだと。
「眠れる森の美女」のプロダクションとしてはとてもロマンティックで笑えるところもあって、とってもわかりやすいと思います。奇をてらったという程でもなく、プティパの振付を最大限尊重しているのもとっつきやすい。そのわかりやすさが私がこの作品を気に入った理由の1つ、なんだろうな。私の周りは前回も今回もバレエは普段見ない方達ばかりで、特にこの日は後ろの列の人たちがみんな幕が開いてもまるでお茶の間でテレビを見ているかのように感想を口々に言い合ったりして。それが、話が進むにつれてぐんぐん引き込まれておとなしくなっていくのです。それは作品の力なんだろうな、と感心しました。この作品で一番好きなのは、やっぱりオーロラが目覚めるところから宮殿全体を目覚めさせる2人のキスまでの一連の部分。ここは本当にすばらしい。うっとりします。
そしてもちろん、ユルゲン・ローゼの美術の美しさとダンサーたちのパフォーマンスも、この作品の大きな魅力。美術については前回の横浜のところに書いたので省略しますが、やっぱりウルバンの王子は素敵でしたー。彼は背中の柔らかさとリフトの安定感がなんともすばらしいのですが、回転系が若干弱めかなと思った横浜に対して今回は全て完璧!それに加えてオーロラの誕生から成長を見守る視線の暖かさと、オーロラとついに心を通わせた瞬間の熱情とがチャーミングなんですよねー。100年前のタイツ姿に着替えながらステージを横切るところは、横浜ではアンダーウェアがほとんど見えてるくらいタイツが履けてなかったんですが(笑)、東京では安全圏まできちんと履いて出てきました。
バルボラ・コホウトコヴァのオーロラも相変わらず安定していて、クラシカルな手脚の軌跡が美しかったです。感情表現はもしかしたら他のオーロラほど能弁ではないかもしれませんが(他を見てないので比較はできませんね)、彼女とアンナ・ポリカルポヴァのクラシックの動きが際立っていました。ポリカルポヴァとシルヴィア・アッツォーニは星のバレエだけの出演でしたが、出てくれてよかった。そうそう、前回は気づかなかったのですが、星のバレエの時にそれぞれのカヴァリエが星のシンボル(宵の明星とか水星とか)の奇麗なオブジェのようなものをトレイに持って出てくるんですね。それをカタラビュットが受け取って、ステージの脇から星のバレエを見ている王と王妃に捧げていました。
カタラビュットはアルセン・メグラビアンくんではなく、ヨハン・ステグリでした。メグラビアンの芸達者でしなやかな踊りを見たあとでは少し物足りないような感じがない訳ではなかったのですが、よくよく見てるとすごーく味があるカタラビュットなの。メグラビアンはダンスを教えるのが楽しくて「趣味と実益をかねてます」みたいな感じ。ステグリはオーロラへも「お仕事」へもまじめな愛情を注いでいて、育ての親みたいな心情が感じられてとても暖かかったです。ラウラ・カッツァニガのリフトがかなり大変そうだったけど、よく踏みとどまっていました。青い鳥の時は相手がブシェーだったので、こちらは慣れているのか安定していました。テクニック的にはリアブコにはまだ及ばないだろうけど、これからどんどんよくなっていくんじゃないかなー。
カッツァニガの善の精もとてもよかったです。横浜の時は実はあまり彼女に目がいかなかったんですが、強さとしなやかさがあって、王子を導く存在感もすばらしかったです。悪の精はユングで、彼の「悪」の存在感というのは特別ですね。ピーター・ディングルは「少女であるオーロラに大人の世界をかいま見せる」色香も感じたのですが、カーステン・ユングはひたすら「悪」なの。迫力で持って行っちゃうというか。ソワレも踊ったそうで、本当におつかれさまでした。茨の精には残念ながら服部さんは出ていませんでしたが、彼の柔軟な「茨」を見たあとでは今回はちょっと分が悪いかしら?十分迫力があってよかったと思うのですが、服部さんの「蜘蛛」みたいな踊りがすごすぎました。えーとあとは、、、結婚式でのパ・ド・トロワ、ディアゴ・ボーディンが魅力的でした。
今回の公演でノイマイヤーとハンブルク・バレエのファンも更に増えたようですので、あんまり間を空けずに来日していただきたいなぁ。他の作品もたっぷり見たいですっ。