- 2005/02/04 23:53|
- Category: ハンブルク・バレエ|
キャスト
ヴァスラフ・ニジンスキー:イリ・ブベニチェク
ロモラ・ニジンスキー(妻):アンナ・ポリカルポヴァ
ブロニスラヴァ・ニジンスキー(妹):ニウルカ・モレド
スタニスラフ・ニジンスキー(兄):服部有吉
セルゲイ・ディアギレフ:イヴァン・ウルバン
エレオノーラ・ベレダ(母):ジョエル・ブーローニュ
トマス・ニジンスキー(父):カーステン・ユング
タマラ・カルサヴィナ:ヘザー・ユルゲンセン
レオニード・マシーン:ロリス・ボナニ
「謝肉祭」からアルルカン:アレクサンドル・リアブコ のちにアルセン・メグラビアン
「薔薇の精」から薔薇の精:アレクサンドル・リアブコ
「シェエラザード」から黄金の奴隷:オットー・ブベニチェク
「遊戯」から青年:ロリス・ボナニ
「牧神の午後」から牧神:オットー・ブベニチェク のちにカーステン・ユング
ペトルーシュカ:ロイド・リギンス
ニジンスキーの内面と影:アレクサンドル・リアブコ 服部有吉
マリインスキー劇場のバレリーナ:バルボラ・コホウトコヴァ エレン・ブシェー
そのパートナー:セバスチャン・テイル エミル・ファスフッディノフ
人格のダンサー:エドウィン・レヴァツォフ
ピアニスト:リチャード・ヘインズ
医者:カーステン・ユング
クレジット
作:ジョン・ノイマイヤー/演出・振付:ジョン・ノイマイヤー/舞台装置・衣装:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン「前奏曲第20番」(ピアノ演奏:リチャード・ヘインズ)
ロベルト・シューマン「ウィーンの謝肉祭」作品26より道化芝居「幻想的情景」(ピアノ演奏:リチャード・ヘインズ)
ニコライ・リムスキー・コルサコフ「シェヘラザード」作品35 第1 3 4楽章(マゼール/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団)
ドミトリー・ショスタコーヴィッチ「ヴィオラ・ソナタ」作品147 第3楽章ヴィオラ:タベア・ツィンマーマン/ピアノ:ヘルムート・ヘル)
ドミトリー・ショスタコーヴィッチ 交響曲第11番ト短調「1905年」作品103(ロストロポーヴィチ/ナショナルシンフォニー管弦楽団)
東京文化会館
感想
会場に入ると舞台の緞帳はあがっていて、そこにはスヴレッタ・ハウスのホールが。明るく清潔で美しいホール。しばらくその美しさに見とれていると、舞台に置いてあるグランドピアノが奏でられはじめました。演奏するリチャード・ヘインズの姿はちょうど下手のカーテンの影に隠れてよく見えません。そうしてまだ客電も落ちないうちに始まった世界に、あっという間に引き込まれてしまいました。
不安そうな顔のニジンスキーの父=ユング、短い叫び声か怒鳴り声のようなものが奥から聞こえて、疲れた顔のロモラ=ポリカルポヴァが登場し、関係者にさざめきのような不安が広がるところ、まっすぐ前だけを見つめたニジンスキー=イリが白い打ち掛け(たぶん)を体に巻き付けて登場するところ、、、印象に残ったところを挙げていったらえらく長い感想になってしまいそうなので諦めますが、あの手この手でニジンスキーのエピソードを折り込み畳み掛けてくるノイマイヤーには脱帽。舞台装置とその転換の秀逸さ、音楽を能弁に語らせる術、衣装、ダンサーたち、そのどれもが高い水準で密度の濃い舞台でした。
イリ・ブベニチェクのニジンスキーは狂気の表現がすさまじかったです。船上でのロモラとの出会いの場面は本当に潮風に吹かれているかのようで、美しい場面。ロモラも、ディアギレフ=ウルバンもニジンスキーを愛しながら本当に見ていたのはダンサーとしてのニジンスキーだったのですね。それをとてもわかりやすく見せている1幕後半は切なかったです。2幕の戦争と狂気をひたすら描いた部分にも圧倒されました。ニジンスキー本人にとって人生の半分はそれらとの長い付き合いだったわけで、ここでもノイマイヤーの能弁さにやられた感じ。
ウルバンは先日デジレ王子を踊ったさわやかな青年と同じ人とは思えませんでした。美しいけれど、ニジンスキーへの愛情と嫉妬と独占欲とで形相が歪んでみえる程。服部有吉はこの日も透明な瞳で登場しましたが、「冬の旅」が目に映る全てをひたすら見つめて理解しようとする異邦人の目だったのと違い、目は見開いているけど何も映ってはいなそうな空虚な瞳だったのが印象的。カルサヴィナ=ユルゲンセンの揺ぎない強さ、リアブコの薔薇の精、オットーの牧神、役者が揃って本当に見応えがありました。中でもペトルーシュカのリギンスの哀しみとやるせなさは圧巻でした。
あまりにも舞台から受け取ったものが大きすぎて、今も消化しきれてない感じがあります。文章にも上手く表せなかったけれど・・・とりあえず今の時点で書ける事、としてアップしておこうと思います。またゆっくりかみしめて、書けることがあったら追加してみますね。
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