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「冬の旅」ハンブルク・バレエ(2005/01/31)

クレジット

振付・演出:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ハンス・ツェンダー『シューベルトの<冬の旅>』/舞台装置・衣装:ヤニス・ココス
オーチャードホール

キャスト

さすらい人:服部有吉
別のさすらい人:ジョン・ノイマイヤー
シルヴィア・アッツォーニ、ジョエル・ブーローニュ、エレン・ブシェー、オットー・ブベニチェク、ラウラ・カッツァニガ、ゲイレン・ジョンストン、カーステン・ユング、ニウルカ・モレド、アレクサンドル・リアブコ、ロイド・リギンス、セバスチャン・テイル

おやすみ:服部、アッツォーニ、リアブコ、ブベニチェク、モレド
風見の旗:服部、アンサンブル
凍った涙とかじかみ:ブーローニュ、カッツァニガ、ブベニチェク、ユング、アンサンブル
菩提樹:服部、ジョンストン
あふれる涙:リアブコ、服部
川の上で:モレド、服部、リアブコ
回想:ブシェー、ユング、アンサンブル
鬼火と憩い:リギンス、服部、アンサンブル
春の夢:アッツォーニ、服部、リギンス
孤独:カッツァニガ、ブベニチェク、リギンス、服部、アンサンブル
郵便馬車:ブーローニュ、ブベニチェク、カッツァニガ、服部、アッツォーニ、ジョンストン、ユング、デュモン、モレド、テイル、ブシェー、リアブコ、リギンス
霜おく頭とからす:ブベニチェク、服部、アンサンブル
最後の希望:モレド、リアブコ、アンサンブル
村で:ユング、服部、リアブコ、アンサンブル
嵐の朝:ユング、リアブコ、アンサンブル
幻覚:ブシェー−テイル、アッツォーニ−ユング−服部、ブーローニュ−リギンス
道しるべと宿屋:アッツォーニ、ブシェー、ブーローニュ、ブベニチェク、カッツァニガ、服部、ジョンストン、ユング、モレド、リアブコ、リギンス、テイル、アンサンブル
勇気:服部、アンサンブル
幻の太陽:アッツォーニ、ブシェー、ブーローニュ、ブベニチェク、カッツァニガ、ジョンストン、ユング、モレド、リアブコ、リギンス、テイル、服部
辻音楽師:ノイマイヤー、服部

感想

休憩なし1時間45分ほどだったでしょうか。その長い時間、ダンサーたちの集中力はすさまじいものがありました。見る側にもかなりの集中力を要求する作品ですが、なんというか「持ってかれた」感じ。見ながら何かを考えるというよりも、ただひたすら見た、というか。見る事に集中しないといられない、圧倒的な何かに襲われた感覚かなぁ。自分のセンサーから内側に流れ込んでくるものを受け止めて、たぶんどこかで何かは感じたり考えたりしてるのだろうけど、そっちに神経がいかないくらい「見続けた」感じでした。

感想を書くのはすごく難しいけど、とにかくやってみます。

まず、服部有吉のあの存在感。小さくて、まっすぐでひたすらな視線で、「自分の場所でないどこか」に立ち続けるさすらい人。ただひたすら周囲を見つめ続けて、その人のほんの些細な心の動きまで見透かしてしまうような目。彼よりうんと背の高いゲイレン・ジョンストンとの「菩提樹」はとても美しかった。ゲイレンには母性を感じさせる包容力を感じます。彼女と視線を合わせることができるようになってから「さすらい人」と周囲の人たちの関係がかわってくるんですよね。

最後のノイマイヤーが圧巻でした。舞台の端にすっと立っただけで劇場の空気が変わる。そこからすり足でゆっくりと歩き始める彼の強く激しいけれどとても静かなテンション。無垢な表情で踊る服部くんの少し後ろで、とても哀しそうな顔で同じように踊るノイマイヤー。年老いたさすらい人と出会うことで、さすらい人は何かを知ったのでしょうか。救われた気持ちになったのでしょうか。舞台後方から出て行った背中はやはり強さと希望にあふれていたように思いました。

「冬の旅」の歌詞は失恋した男性の歌だし、この作品には9.11が世の中に与えた大きな衝撃やアウシュビッツやヒロシマをうかがわせる場面もある。舞台には生きにくさ、つらさ、孤独、悲惨さがあふれていて、確かに見終わったとき胸に重たいものが残るのだけど、でもそれだけではなくて、、、たぶん最後の「辻音楽師」で、見ている側にも希望が残ったのかもしれないな、と感じて劇場を後にしたのですけれど。

うーん、やっぱりまだ整理ができません。1度じゃかかえきれないくらい大きなものを舞台から手渡された感じです。ちょっと離れて眺めたり、しばらくしまっておいてから出してきて眺めたり、そうしてだんだん本質がわかっていく作品のような気がしています。

最後になってしまいましたが、ソリスト陣もとてもよかったです。できれば東京であと1日くらい上演してほしかったな。

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管理人:ゆう

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