- 2004/11/14 23:49|
- Category: 東京バレエ団|
クレジット
振付:レオニード・ラヴロフスキー/改定振付(パ・ド・ユイット):ウラジーミル・ワシーリエフ/音楽:アドルフ・アダン/美術・衣装:ニコラ・ベノワ
指揮:アレクサンドル・ソトニコフ/演奏:東京ニューシティ管弦楽団
ゆうぽうと
キャスト
ジゼル:斎藤友佳理
アルブレヒト:ウラジーミル・マラーホフ
ヒラリオン:木村和夫
バチルド姫:浜野香織
クールランド公爵:後藤晴雄
ウィルフリード:森田雅順
ジゼルの母:橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):高村順子−中島周、門西雅美−大嶋正樹、小出領子−古川和則、長谷川智佳子−平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス):大島由賀子、西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子
ミルタ:井脇幸江
ドゥ・ウィリ:佐野志織、小出領子
感想
バレエを見たというよりも、あれは演劇だったというくらいに濃密な感情表現に溢れた舞台でした。それは今までに見た東バの「ジゼル」とも違うし、他のどの「ジゼル」とも全く違うもの。ドラマとして登場人物の感情に説得力を持たせて、舞台の隅々まで台詞が聞こえてきそうな程でした。とっても「濃い」んだけど、ドラマティックで泣けました。
斎藤さんのジゼルは初めてみました。アルブレヒトの事が大好きだけど母親のことも大切で、母親の言うことをよく聞く素直なジゼル。例えば心臓が悪い様子を1度でなく何度か見せたりと、彼女独特の役作りがありました。バチルドのドレスに目を奪われて思わず触ってしまう所は、「目についてすーっとそちらに歩み寄る」ジゼルが多いですが、彼女は遠い場所でしばらく凝視(って感じだった)して、たまらずに近寄って触ってしまうというもの。1つ1つ挙げたらきりがないほどに、徹底して役作りをしていると思いました。
彼女の踊りはアームスが強い意志を表してるような時があって、時々その強さにびっくりしてしまうんですが、このジゼルはそれくらい意志が強いコなのかも、という感じでそんなには気にならなかったです。1幕は演技面に目がいってしまって踊りの方はあまり印象にないのですが、2幕はさすがにすばらしかった。マラーホフとは踊りの質よりも感情の面での共鳴があった感じでしょうか。
そのマラーホフ、やっぱりアルブレヒトはいいですわ〜。ジークフリートはお疲れぎみだったと聞いたのですが、すっかり復活していて素晴らしかったです。2幕の最後、一人残されてあそこまで嘆き悲しむバージョンは初めて。本当に泣いていたように見えましたし、その表情はちょっと忘れられないくらい・・・カーテンコールでも中々戻ってこられないようで、そっと涙をふいたり下を向きぎみだったり。いやー、参りました。何度かマラーホフのアルブレヒトは見ているのに、ちょっとKOくらった感じです。
ソトニコフさんの指揮も、斎藤さんとマラーホフのドラマにしっかりよりそっていて素晴らしかったです。ただ、他のダンサーたちには少しゆっくり目だった部分もあったかもしれません。合わせにくそうな感じもありました。
パ・ド・ユイットでは武田さんと後藤和雄さんのかわりに門西さんと平野さんが、パ・ド・ユイットは福井さんのかわりに田中結子さんが出ていました。平野さんと中島さんの茶色組も素敵ですが、後藤和雄さんがいないのはやっぱり淋しかったし、武田さんの可愛らしい笑顔が見えないのもね・・・でも門西雅美さん、とてもよかったです。それとドゥ・ウィリの佐野志織さんと小出領子さんもとてもよかった。小出さんは見る度に輝きが増していて、目が離せません。ウィリたちはちょっと足音が気になりましたが、ゆうぽうとの床は響きやすいのでしょうか。席が1階後方で2階席がかぶっている辺りだったので、そのせいかもしれませんね。
ヒラリオンの木村さん、ウィルフリードの森田さん、ミルタの井脇さんは安定していて言うことなし。今回はバチルドの浜野さんが初役だったと思いますが、別嬪さんで彼女のバチルド像というのがしっかりできていてあっぱれでした。アルブレヒトの裏切りが発覚してからずーっとアルブレヒトをにらみつけているのも、気位の高さからでしょうか?今回は好きなダンサーたちの退団もあったりして、見ていてちょっと寂しさも感じる舞台だったのですが、こういう発見は大歓迎です。いい公演でした。
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