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「ルグリと輝ける仲間たち」2004 プログラムB (2004/07/23, 25)

ゆうぽうと

第1部

「パキータ」

振付:マリウス・プティパ/音楽:ルードヴィヒ・ミンクス

オレリー・デュポン/マニュエル・ルグリ/東京バレエ団

「エスメラルダ」では貫録でマチューを引っ張ったオレリー、ここではおだやかな表情で安心しきって踊ってる様子が印象的でした。エレガントでうっとりしたけど、もっと軽やかでもいいかも。ルグリはもちろん完ぺき。美しくて端正でずっと見ていたかったです。

これは「パキータ」の感想ではないけれど・・・アラベスクしたままの女性の腰をホールドして、ポワントを軸にくるっと一周するのはなんというんでしたっけ?あれをする時のルグリは必ず客席の方に顔をあげて優雅だよね〜。それが当たり前だと思っていたけど、いろいろ見ていると、必ずしもみんながそうしている訳ではなくて、特に今回の若手はみんな余裕なさすぎ。女性の腰の辺りをじっと余裕のない顔で見つめて必死に回ってる。難しい技なんだなというのはよーくわかりました。でも、どうか今回参加した若手組のみなさん、ルグリの踊りからクラシックの典雅と音楽性とサポートの上手さを盗んでいってね。

「スターズ・アンド・ストライプス」

振付:ジョージ・バランシーン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ

ミュリエル・ズスペルギー/エルヴェ・クルタン

23日に見た時は、クルタンもズスペルギーもちょっとばらついてて、特にクルタンはAプロではバランシンダンサー!って感じだったから期待してたのでちょっと意外で・・・。でも25日には見せ方も工夫してたし脚のラインも美しかった。ただねー、アメリカ人!って感じの底抜けの明るさとかおどけっぷりが足りなくて残念。クルタンもズスペルギーもがんばって楽しませてくれてたんだけど。この演目でなくてもよかったかなー、なんて。

「モーメンツ・シェアード」

振付:ルディ・ヴァン・ダンツィヒ/音楽:フレデリック・ショパン

エレオノーラ・アバニャート/ステファヌ・ビュリヨン

ブルーの背景に紫色の衣装のカップル。舞台上手奥にグランドピアノが1台あって、演奏は高岸夫人でしたよね、確か。美しい作品だとは思うけど、ビュリヨンくんの坊主頭はここでも違和感。うーん、何で坊主にしちゃったのかしら。アバニャートの雰囲気たっぷりの踊りは叙情的というか、とても美しかった。ビュリヨンくんは23日の方が良かったかな。25日は疲れ切っていたのか、サポートにハラハラしました。

ビュリヨンくん、Aプロの「アベルはかつて・・・」「ディアナとアクティオン」とこの演目、3つしか踊らなかったからあまり挽回するチャンスもなくてかわいそう、かも。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」

振付:ルディ・ヴァン・ダンツィヒ/音楽:フレデリック・ショパン

エレオノーラ・アバニャート/オドリック・ベザール

ドロテ・ジルベールの音楽的な踊りが大変気に入りました。時々あざとい感じがしなくもなかったけど、ユレルよりずっと好み。愛らしい笑顔も(人によってはtoomuchに感じるかもね)この作品にはぴったり。かわいかった。

ベザールくんは背が高くて手脚が長くて、でも23日に見た時はどーしようかと思いました。ジャンプは高いけど着地が崩れるし、どうも足首というか身体が固い?ヴァリエーションのところとか、高いジャンプの後の着地で脚を痛めるんじゃないかとハラハラしました。25日も固さは変わらずだったけど、ジャンプ後の着地にすごく気を使っているのはよくわかったし、舞台がせまくてマネージュの最後に袖に入っちゃってもきちんとポーズしていたし、好感度はアップ。ピルエットもだんだん回転がゆっくりになって綺麗に止まっていて、こんなに日々上達するものなんだと驚きました。ちょっとフロアレッスンぽかったかもだけど(笑)彼自身も25日はよくがんばったと達成感があったんだろうね、カーテンコールでの本当に嬉しそうな笑顔が印象的でした。

なんかちょっと応援してあげたい気分になっちゃったな。スタイルがいいから、あともう少し柔らかさが身について姿勢がよくなったら素敵だろーなと思う。それにしても、何度か続けてみるといろいろ見えてくるものですねー。これだからやめられないんだわ、きっと。

「さすらう若者の歌」

振付:モーリス・ベジャール/音楽:グスタフ・マーラー

ローラン・イレール/マニュエル・ルグリ

イレールとルグリが2人揃って目の前のステージに立って踊っている、という事実だけで胸がいっぱいに。イレールの作り出すラインの美しさ、後ろに差し出す脚の繊細な力強さ・・・目が放せなかった。この演目を選んでイレールを連れてきてくれたルグリに感謝。ありがとう。演じ終わって、2人が本当に嬉しそうに肩を組んで拍手に応えていたのにも感動して泣けてきた程。あー、何を書いても陳腐だし、文章では上手く残せないよー。一生のうち何度も見られるものではない素晴らしい舞台、それを2度も見られた自分は本当に幸せだと感じた舞台。

第2部

「精密の不安定なスリル」

振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:フランツ・シューベルト

エレオノーラ・アバニャート/メラニー・ユレル/ドロテ・ジルベール
ヤン・サイズ/マロリー・ゴディオン

始まってびっくり。Aプロでも見たのに、ぜーんぜん別物ではないかっ。Aプロでは「フォーサイスがバランシン風の作品をつくった」のが面白いと思ったけど、実はバランシン風の作品でフォーサイスが自分の舞踊言語で自在に遊んで」いたんだね。ただひたすら複雑なパの組み合わせを踊るダンサーがえらいと思ってたAプロ、複雑だけどきっちりフォーサイスとして踊りきりなおかつ余裕と遊びが感じられたBプロのダンサーたち。2種類を見せたルグリのプロデューサー手腕がすごいのか?(笑)

男性陣ではもちろんヤンくんに視線釘付け。女性陣ではドロテ・ジルベールだけがAプロにも出てたけど、彼女はバランシン風。アバニャートとユレルはきっちりフォーサイス。でも、目を惹くのはジルベールだったり。

「眠れる森の美女」

振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:P.I.チャイコフスキー

ミリアム・ウルド・ブラーム/マチュー・ガニオ

キラキラのお姫さまミリアムを凌駕するキラキラっぷりで登場するマチューくん、さすが。ステージ上の存在感は言うことないんだけどね。23日に見た時は、あまりにサポートが不安定だから、ミリアムも不安というか不機嫌さを隠せなかったようで「100年待った王子と結婚する幸せなお姫様には見えないぞ」って感じ。同情はするけど、それでいいのか?って気も。(厳しい?)

ところが25日のマチューくんは立派だった。あくまでもそれまでの踊りと比べてのことだけど、着地はブレないし、サポートも比較的丁寧だし、がんばったじゃん!と嬉しくなってしまった。エトワールとして見れば・・・というのはあるけど、それよりもちゃんと帳じり合わせてくれると思わなかったから(笑)終わった〜って放心してたのは、今回はご愛嬌ってことで。

ミリアムの踊りは音に乗った小気味よさが魅力だと思うけど、オーロラの場合はもう少し柔らかさがあると好みだなー。

「ル・パルク」

振付:アンジェラン・プレルジョカージュ/音楽:V.A.モーツァルト

オレリー・デュポン/ローラン・イレール

演目が発表になった時から楽しみにしてたものの1つ。イレールはこのBプロで圧倒的な存在感を示していて、それを堪能できたのも嬉しかった。オレリーはクラシックのお姫さまより、こういう切なげな表情で踊る演目のほうが素敵。浅黒い肌のイレールと、真っ白なオレリーの肌とがなまめかしくて、ドキドキしたり。それにしてもベテラン勢の踊りには日によってのブレがありませんねぇ。こっちがひたすらその世界を堪能してるせいかもしれないけど。

「アレス・ワルツ」

振付:レナート・ツァネラ/音楽:ヨハン・シュトラウス

マチュー・ガニオ/オドリック・ベザール/ヤン・サイズ/エルヴェ・クルタン/マロリー・ゴディオン

楽しかった!どうもこれは抜粋版のようですね?全部見たかったなー。みんなすごくよかった。ノッポさん組は最後に「ヘイっ」と叫ぶところが23日はバラバラ(笑)25日はピッタリ揃ってたけど練習したのかな〜。ベザールくんもマチューも(もちろんヤンくんも)手脚が長いから踊りが映えるよね。別人のようにニコニコして楽しそうに踊っていたし、マチューはこれが一番よかったんじゃないかなー。リズム感というか音楽的なセンスが飛び抜けてて感心したよ。黒背景に黒いコスチュームなので身体のラインとかはわかりにくいけど、ノッポさん組のダイナミックさを効果的にしてたみたい。

チビ(って失礼か)組のゴディオンくんとクルタンのテクニック合戦?も楽しかった。ゴディオンくんのちゃめっ気はかわいいが、目を惹くのはクルタン。好みの問題だけどねー。本当に楽しく盛り上がっただけに、全部見たかった!でもありました。

「椿姫」

振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン

モニク・ルディエール/マニュエル・ルグリ

ルグリが舞台上手で寝そべって物思いにふけっている幕開きから鳥肌が。そして、ルディエールは舞台後方を走ってた瞬間から、マルグリットそのもの。神々しくさえあるその姿には過去への悔恨とアルマンへの消すことのできない愛情があふれていて、痛々しいくらい。アルマンの腕に身を任せてからの喜びに満ちあふれた表情も愛らしく、ただただ素晴らしかった。もちろんルグリも本当にすばらしく(ボキャ貧だなー)、2人一緒に踊るのを初めて見た今回は、互いが互いのために存在するかのような舞台を見られる幸せをかみしめてた。

23日は、踊り終えた後本当に2人とも放心状態というか、見つめあった互いしか見えてないんじゃないかという位。ルグリもルディエールも一緒に踊れて嬉しかったのだろうなぁ。その2人を見て更に感動。これもまた、私の宝物として心に刻みつけておきたい舞台でした。


23日のフィナーレで、男女男女と並んでいた立ち位置と逆に立ってしまったと気付いたルディエールが、ふわりと身を翻してルグリと位置を変わったのも愛らしかった〜。本当に大エトワールたちの素晴らしさをひしひしと感じ、若手って見てる間にこんなに成長しちゃうんだ!とびっくりした1週間でした。

日本の蒸し暑い夏でダンサーたちも大変だったと思うけど、みんな怪我がなくて何よりでした。ルグリ、素敵な公演をありがとう!

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管理人:ゆう

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