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「ジゼル」スター・ダンサーズ・バレエ団(2003/08/27)

クレジット

振付:マリウス・プティパ/追加振付:ピーター・ライト/台本:テオフィール・ゴーティエ/音楽:アドルフ・アダン/演出:ピーター・ライト/舞台美術・衣装:ピーター・ファーマー
指揮:田中良和/演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ゆうぽうと

キャスト

ジゼル:吉田都
アルブレヒト:ヨハン・コボー
ヒラリオン:樽井裕典
バチルド姫:小山恵美
クールランド公爵:横山忠滋
ウィルフリード:林文明
ジゼルの母:鈴木恵美子
ペザントの踊り(パ・ド・シス):小平浩子・新田知洋・白椛祐子・新村純一・福島昌美・福原大介
ミルタ:厚木彩
ドゥ・ウィリ:岸川まや・大岡直美

感想

今月2度目のジゼル。前回あまりに感動したので、今日もそれをしのぐ感動を味わえるのか少し不安で、でも吉田都が日本で初めてジゼルの全幕を踊るのが楽しみで、ピーター・ライト版をもう1度見られるのも楽しみで、ドキドキしながら会場に向かいました。

ピーター・ライト版のスタダン「ジゼル」は私が大人になって初めて見たバレエで、それが2年ちょっと前。それからいくつかの「ジゼル」を見て、もう1度ピーター・ライト版を見たことで気付いたことがいっぱいありました。小さなマイムがあちこちにちりばめられていて、それらが登場人物みんなを愛すべき人物に見せてくれて、余計にこの悲劇が際立つ気がします。

吉田都は本当に本当に素晴らしかったです。特に1幕は今まで見たジゼルのどれとも違う、ちょっとやんちゃで生き生きとした愛情たっぷり幸せなジゼル。アルブレヒトと視線を交わしてにっこり微笑むところなど、恋するジゼルそのものでした。それに何と言ってもあの正確で美しい踊り!吉田都の踊りを評するものを読むとみんな「有るべきところに足も腕もある美しいポジション」と褒めているのですが、本当にかくあるべしという美しいポーズでした。1幕最後の狂乱のシーンもいきなりそうなってしまうのでなく、ジゼルの意識の下でゆっくりゆっくり何かが壊れていく感じで余計に哀しかったです。

2幕では、ふんわりはかなげで見ためは精霊そのものなのですが、もっとなんというか「生きた気持ち」を持った暖かい存在でした。いつもアルブレヒトを気づかっていて、何度もミルタに許しを請うのですが、それだけに夜明けを告げる鐘が鳴ったときには彼が助かったことを確信して幸せそうな表情をしていたのが印象的でした。その鐘はアルブレヒトとの永遠の別れを意味するものでもあるのに・・・で、私はまたボロボロ泣いてしまったのでした。

アルブレヒトのコボーは初見でしたが、写真ではもっと年齢が上の人かと思っていたのですがけっこう若かったです。立ってるだけで高貴さが匂い立つ、という感じではなくて(私のイメージ、ですけれど)ちょっとだけ残念でしたが、それだけに「王子様の気まぐれで村娘に二股かける」のではなく、最初からジゼルのことを大好きな、でも許嫁がいるんだよなー、って感じの青年だったと思います。

2幕で登場するシーンがいささかあっさりしてたかなーという気もしますが、吉田都とのパートナーシップは見事でしたし、アントルシャ(その場でジャンプして体の右あるいは左側で足を打ち付ける、っていうのかな・・・説明難しいケド)も、「うわっ、こんなスゴイの初めて見た」というくらい見事なものでした。

ヒラリオンの樽井さんはゲストだと思うのですが、憎たらしいというよりはジゼルを本当に愛していたかわいそうなヒラリオンでした。ピーター・ライト版だからそういう風な位置づけだったのかもしれないけど、それだけに、2幕でウィリたちに踊り殺されるのはかわいそう。ジゼルを見るといつも思うことではありますが。

村人たちの踊り(パ・ド・シス)では小平さんが華やかでした。以前私が見た時はジゼルだった人なので、その華やかさも納得ですけれど。白椛さんは相変わらず楽しそうに踊っていたし、福島さんも端正で綺麗な踊りでした。男性陣もがんばってました。(さらっと流してますが)

ミルタの厚木彩さんは背中と首と肩のラインのせいかどうか少し堅い印象を受けましたが、怖くて厳しいミルタでした。でも最後にはアルブレヒトとジゼルとを許すように見えたというか、怒りとか哀しみの感情も薄れていたような気がしました。

ドゥ・ウィリの岸川さん、だと思うのですが、立ち居振る舞いが本当に堂々としていて、ともするとまるでミルタのような感じでした。たぶん、厚木さんがもっと経験を積めば同じ強さというか光を得ることができるに違いないと思います。先が楽しみです。

それにしても舞台美術も衣装も素敵でした。最初にこの版を見てしまったが為に、その後に見たジゼルが物足りなく感じてしまうのは、この舞台美術のせいだと再認識しました。

スタダンのみなさんも柔らかいポワントで音を立てないように気をつけて踊っていたし、1部の村人たちの踊りも2部のウィリの群舞も素敵でした。惜しいのは、今スタダンは団員がかなり減っていて、群舞の人数がちょっと少ないこと。ウィリの踊りはせめてあと6人くらい居たらさぞウットリするようなシーンだっただろうと思います。

拍手はいつまでも鳴りやまず、何度もカーテンコールが続きました。サー・ピーター・ライトも舞台に登場されて、称賛の拍手を浴びていました。ピーター・ライトが来日してるってことは、たぶん稽古中にもダンサーたちにいろいろ指導して下さったはず。振り付け家の指導を受けられることは、スタダン団員の財産だと思います。彼らの踊りが説得力を持っているのはそんなところにもありますよね。

この公演、「国連難民高等弁務官事務所・難民教育基金支援公演」という冠がついてまして、収益はそこに寄付されます。会場にも難民たちの様子を伝える写真などのパネルがたくさん飾ってあって寄付金を募る箱も置いてありました。昨日は国連難民高等弁務官である緒方貞子さんがカーテンコールの途中で舞台挨拶をなさったそうです。こうして舞台を見て感動できる幸せを噛みしめつつ、お小遣いから気持ちだけ募金してきました。

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管理人:ゆう

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