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「ノートルダム・ド・パリ」牧阿佐美バレヱ団(2003/08/22)

クレジット

振付・台本:ローラン・プティ/原作:ヴィクトル・ユーゴー/音楽:モーリス・ジャール/装置:ルネ・アリオ/衣装:イヴ・サン=ローラン
オーチャードホール

キャスト

カジモド:ジェレミー・ベランガール
エスメラルダ:ルシア・ラカッラ
フロロ:バンジャマン・ペッシュ
フェビュス:アルタンフヤグ・ドゥガラー

感想

全幕を舞台で見るのは初めての演目。2幕のカジモドとエスメラルダのパ・ド・ドゥは、去年の2月に上野水香と逸見智彦(共に牧バレエ)で見ているが、知らない演目(当時は今以上に何も知らなかったから)と知らないダンサーたちばかりでいっぱいいっぱいだったせいか、上野水香の日本人離れしたスタイルの良さしか覚えてない。あと、この2人はこの演目にはまだ若いんじゃないかしら、とか漠然と思ったような。

映像ではパリ・オペラ座版が発売されていて、テレビで放映された時に1幕の途中からぼんやりと見てた覚えはある。だからちゃんとは見ていないのだが、エスメラルダを踊ったイザベル・ゲランの説得力のある踊りに感銘を受けた覚えがあった。

そんな作品を牧バレエが再々演(たぶん)するということで、日本人キャスト(エスメラルダ=上野水香、フロロ=小嶋直也。カジモドとフェビュスはベランガールとドゥガラーが全公演を演じる。超ハードだわ)とゲスト両方見るお金のない私は、一度この目で見てみたかったキャスト勢ぞろいのゲストを見ることに。

この演目が一体全何幕なのかも知らなくて、パンフレットを見てびっくり。2幕物なのに13場!場が変わるごとに舞台が暗転するのでちょっと冗長に思えた最初の頃。話の筋に入り込んでからは気にならなくなったけど、それでも私的には盛り上がりに掛けた。いろんな衣装で(いろんな役になって)登場する群舞の人たちが、他の演目よりも少し冗舌で観客に訴えかけるものが多いハズなのに、それがちょっと伝わってこなかった。ステージ上だけで完結しちゃってて客席まで届かない、というか。

ベランガールのカジモドは、煙たがられ嫌がられる異形の人ではなくて異形だけど放っておけないかわいらしいコ、という感じ。たぶん本人の持つキャラクターがそうなのね。それゆえに得体のしれない不気味さみたいなのはなくて、かわいくてかわいそうなカジモド。

ペッシュのフロロは聖職者。ただ立ってるだけなのに「あ、この人って絶対悪い人!」ってわかる悪い"気"が周囲に漂わせられるのね、感心。好きな女のコトが頭を離れないのに、嫉妬でその女の恋人を殺した罪を女にかぶせて処刑してしまう・・・そういう屈折したトコがよく出てた。今回の出演者の中では、一番「説得力がある」人。目が離せなかった。

ラカッラのエスメラルダ。何でしょう、この人のスタイルの素晴らしさは。脚の美しさは。バレエダンサーでもここまでの人はなかなかいないよ。びっくり。情熱的なジプシーという感じがなくて、優しさと慈しみ、哀しみにあふれたエスメラルダなのね。ベランガールのかわいいカジモドだけが相手ならそういうのも「あり」だと思うけど、元はマジメな聖職者であったハズのフロロが「邪悪な人」になってしまう程のファム・ファタルには見えなかったなー。

フェビュス役のドゥガラーはモンゴル人ダンサーなのね。公演2週間くらい前に急きょ出演が決まったようで、パンフレットに紹介が出てないのがお気の毒。歩兵隊の美しい隊長でエスメラルダと愛し合うという役なのに、うー、私の中にある「美しさ」の基準とはちょっと違うかなー。彼は美しいというよりたくましい。本人の持つエネルギーが大きいからだと思うけどすごく生命力が強そうなフェビュスなので、そう簡単に殺されちゃうなんて納得いかないでしょ〜。彼はいいダンサーなのだろうけど、もっと優男風情の人の方がこの役にはお似合いじゃないかな。

装置は素晴らしい〜。これは借り物じゃなくて自分たちで作ったのかなぁ。衣装の色彩も楽しみにしてたのだけど、初めて映像で見たときのような「うわっ、何て綺麗な色の洪水!」という感激はなかった。これって日本の空気のせいかしら・・?

カーテンコールには振付のローラン・プティも登場。どうやら毎回お出ましになっている様子。そーだよねぇ、「ローラン・プティの世界」だもんね。そういえば、私は今回初めてプティの全幕を見たのだった。噂通りおちゃめなおじさまなのね。

今回見てみて、改めてゴールデン・キャストで収録されたパリ・オペラ座のビデオを見てみたくなった。どーしてバレエを見る度に「満足」の気持ち以上に「もっと!もっと!!」の欲が出てきちゃうのかしら。

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管理人:ゆう

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