- 2002/09/15 23:02|
- Category: ABT|
クレジット
指揮:アンドリュー・モグレリア/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
NHKホール
第1部
「クリア」
振付:スタントン・ウェルチ/衣装:マイケル・コース<セリーヌ>/照明:リサ・ピンハム/音楽:J.S.バッハ<ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ単調BWV1060/ヴァイオリン協奏曲ト短調BWV1056>
オーボエ:小林裕/ヴァイオリン:ロナルド・オークランド/チェンバロ:寺村朋子
イーサン・スティーフェル
マクシム・ベロツェルコフスキー/リカルド・トーレス
ジュリー・ケント
エルマン・コルネホ/ホアキン・デ・ルース/クレイグ・サルスティン/ゲンナジー・サヴェリエフ
去年秋の新作バレエだそうだ。当然、日本初演。マイケル・コースの衣装デザインで、男性は上半身裸で下はそれぞれの肌色に近いパンツ、女性も下はパンツで上はタンキニの短いの(何ていうの?)。いや別にセリーヌでなくても・・・みたいな。肌に近い色・・・それは、アメリカ、ロシア、アルゼンチン、スペイン・・・ABTのダンサーの多国籍性を一番プリミティブに見せてくれる色だし、ロシア人でお肌真っ白のマクシムとプエルトリコ人のリカルド・トレースが2人で踊る様はまるで光と影のようだった。
なーんて難しいことを考えながら見ていたのではなく、マクシムの持つ「華」に驚いていたのだった。2月に「メダリストたちの競演」で見た時はあまり印象に残らなかったのに。それともちろん、イーサン。モダンもこれだけ踊れる人だとは知らなかった。またここでもジュリー・ケントと組んでいたので、ジリアン・マーフィと踊る方も見てみたかったな。
第2部
「シルヴィア」のパ・ド・ドゥ
音楽:レオ・ドリープ/振付:ジョージ・バランシン/演出:マリーナ・エグレフスキー/衣装:サント・ロクァスト
パロマ・ヘレーラ/マルセロ・ゴメス
神話に基づいたバレエ、なんだそう。ステップが細かかったり、ジャンプに小技が効いてたりするのがバランシンっぽさらしい。パロマ・ヘレーラはもっと「小娘っぽい」印象だったけど、とても綺麗に踊っていた。後ろに座ったバレエオタク風の男性が「パロマったら、エレガントね」と感心してた。マルセロ・ゴメスは、うーん、あまり印象に残ってない。いかんなぁ。
「白鳥の湖」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
原振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/演出:ケヴィン・マッケンジー/衣装:ザック・ブラウン/照明:デュアン・シュラー
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マクシム・ベロツェルコフスキー
言わずとしれた白鳥と王子のパ・ド・ドゥ。イリーナ、すごすぎる。情感たっぷりというか、ハクチョーはこうあるべきという王道そのものに見えた。さすがロシアのお家芸。2人が出てきた途端に、今まで見ていたのは、ガラじゃなくて白鳥の湖の第1幕だったんじゃないか、という気になるほど、その場ですっと物語に入ってしまった。2人とも指の先までなりきっていて、息をするのも忘れそうになってしまったよ。この2人が主役のSwan Lake、見たい〜!!
割れんばかりの拍手に応えるイリーナのお辞儀は、人類じゃなく鳥類だった。それが微妙に可笑しかった。私もまだまだ修行が足りんのう。
「アザー・ダンシーズ」
振付:ジェローム・ロビンズ/衣装:サンド・ロクァスト/照明:ナナンヌ・ポーチャー/音楽:フレデリック・ショパン<マズルカop.17-4/マズルカop.41-3/ワルツop.64-3/マズルカop.63-2/マズルカop.33-2>
ピアノ:デイヴィッド・ラマーシュ
アレッサンドラ・フェリ/アンヘル・コレーラ
怪我で来日できなくなったフリオ・ボッカの代役でアンヘルがフェリ姐さんのお相手。やっぱりぎこちなさは否めなかった。柔らかく踊るフェリに対して直線的なアンヘル。フェリの右側にいるのがボッカだったらなぁ・・と何度も思ってしまった。アンヘルはもちろんがんばっていたし、こないだの海賊ほど荒い踊りではなかったけれど。ま、でも仕方ないよねぇ。1度ターンに失敗して客席の方向を見失っちゃったのは気の毒だったし、リフトのタイミングもあれでいいの?って感じだった。
ソロパートは安心して見ていられた。フェリはもういいお年だと思うけど、踊ることで周りにつくりだす独特の雰囲気が何ともいえず素敵。後ろの席の男性曰く「やっぱりフェリのあの目線とか、女優よね」とのこと。アンヘルはこの作品あまり踊らないのかな?「海賊」のアリや「ドンキ」のバジルに比べると、ぎこちなさは否めなかった。それでもすごいダンサーであることに変わりないんだけどね。
第3部
「眠れる森の美女」第三幕
音楽:P.I.チャイコフスキー/原振付:マリウス・プティパ/改定振付:ケネス・マクミラン/台本:イワン・フセヴォロシスキー、マリウス・プティパ/装置・衣装:ニコラス・ジョージアディス/照明:トーマス・R.スケルトン
オーロラ姫:ニーナ・アナニアシヴィリ
デジレ王子:ホセ・マヌエル・カレーニョ
国王フロレスタイン14世:ブライアン・リーダー
王妃:ジョージナ・パーキンソン
リラの精:カルメン・コレーラ
ダイアモンドの精:ミシェル・ワイルズ
金の精:デイヴィッド・ホールバーグ
銀の精:アリーナ・フェイ/ヤナ・カン/アンナ・リセイカ
長靴をはいた猫&白い猫:フリオ・ブラガド=ヤング/レネータ・パヴァム
青い鳥&フロリナ王女:ホアキン・デ・ルース/マリア・リチェット
赤頭巾&狼:キャリー・ピーターソン/アイザック・スタッパス
廷臣たち:エリカ・コルネホ/イーサンブラウン
ステージに舞台装置が入って、オーロラ姫とデジレ王子の結婚式の場面。すっごい豪華な衣装に目を奪われた。青い鳥をホアキン・デ・ルースが踊ったのだけど、やっぱり彼はよい。背がもう少し高かったらよかったのになぁ。デジレ王子のカレーニョも端正で素敵。マジメさが踊りに出るんだろうねー。パワフルなだけじゃない抑えた魅力というか。ニーナのオーロラは彼女の十八番ということで安心して&ああ、やっとこれが生で見られたと喜びながら見ていた。結婚する日の晴れやかな喜びが表情に出ててよかったわん。
さすが日本で大人気のニーナ、カーテンコールではオーケストラピット前にたくさんのファンが詰めかけていた。うーん、今月後半のボリショイバレエの「眠り」(ニーナが踊る)、見るべきだろーか・・
全部見た中で一番よかったのは、ハクチョー。たった10分であれだけ惹きつけるのだから、全幕で見たら泣いちゃうかも。あー見たい、見たい見たい!・・・と、新たな欲望が着火して帰宅の途に着いたのだった。